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2009年3月19日 (木)

映画:路上のソリスト

 ご縁があって、試写を見させていただきました。

五月公開予定のジェイミー・フォックス、ロバート・ダウニーJr主演映画「路上のソリスト」。ロサンゼルス・タイムズのコラムから生まれた実話をもとにした映画です。

LAタイムズのジャーナリストが、路上生活をしながらバイオリンを弾く黒人男性に興味を持ち取材してコラムに書こうとするところから物語は始まります。

記者(ロペス)は、精神的に不安定な路上のソリスト(ナサニエル)を取材するうち、ナサニエルが類まれな音楽の才能を持っていることに気がつき、コラムを書きます。そのコラムは大きな反響を呼び、読者からチェロをプレゼントされたり、行政が路上生活者支援に動き出したり、二人の周りに変化が起きていきます。その中で、芽生えていた二人の信頼関係が揺らぎ始めていく・・・。

と、あらすじはこのくらいにして、私の感じたことを。

LAタイムズのコラムを読んだ映像関係者は、「活字の行間から訴えられる感情を映像で表現できるか、この実話を映像で訴えたい!」と強く思い、挑戦をしたかったのではないか・・・。そう思えるほどに、社会や個人の葛藤を感じます。

記者は取材対象者との壁を自ら取り払ってしまった、そうしなくては相手の懐に入って目指す取材ができなかった。後戻りはできない。そして、その魅力が相手にあったのですね。これ以上入り込めば、相手の人生を背負い込んでしまう、自分の人生と交わってしまうという境界を越えてしまった(こういうジレンマって仕事や市民活動においてもありますよね)。

心も体も疲れ果てた記者は、図らずも徹底的に自分の内面と向き合うことになってしまう。

その時、記者はその状況を受け入れられるのか、否か。

その問いは、見ている私たちにも向けられます。

自分に起きる事を引き受けられるのか。

貧困や格差、だけでなく常識や一般論。ある人の幸せのためになにが大切なのか?疑問を持って対峙しなければいけない時がありますよね。

人間の感覚を最大限に拡張させることができる道具、楽器。人は不器用な路上のソリストが楽器を、音楽を信じ続けるように何か核を持って生きられるのか。。

この映画で一番伝えたかったことは・・・

『社会に必要な寛容』と、受け取りました。

あなたはどのように感じるのでしょう。

沢山の複雑な思いを呼び起こしてくれる映画です。

公開は五月予定。

配給:東宝東和

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コメント

社会の、広いようで狭い了見に惑わされ、踊らされ、徐々にズレが生じてくることって、ままありますよね。映画みてないけど「社会に必要な寛容」…ふむ、考えさせられます。「家庭に必要な寛容」についてはよく考えてますが(笑)
あたしはヤッターマンみたよん♪

投稿: かおりん | 2009年3月21日 (土) 01時28分

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