にほんごの話
『にほんごの話』谷川俊太郎さんと和合亮一さんの共著です。
リズミカルな掛け合い形式に一気読み。
和合さんが行っている子供に詩を教えるワークショップでのこと。
題材はプラネタリウム。
「〜宇宙を見て出てくる最初の言葉が『きらきら』とか『ダイヤモンドのよう』という紋切り型ばかりなんですね。ある子どもが『ビスケットのように星が散らばってる』と書いたのを取り上げて、『この表現いいね』って一言言うと、言われた子どもも思いがけなかった様子でびっくりしていたし、後ろで見ているお父さん、お母さんまでびっくりしていたんです。それからはめきめきと良いフレーズが浮かんでくる。〜略〜『宇宙は謎のたね』〜略〜『ガスと岩石と光の楽園』とか…〜略〜」。
対して谷川さん、
「〜略〜テレビを見ても新聞を読んでも画一化された表現ばかりですよね。〜略〜…世界が貧しい決まり文句だけで回っていく。そんなものばかり見ていたら、そういう風にしか世界を見られなくなってしまう。その悪循環を壊すためにはよっぽど自分がしっかりした世界認識みたいなのを持っていないと駄目ですね」。
このようなやり取りがありました。
谷川さんの言う『世界認識』が大きなキーワードではないでしょうか。
メディアへのリテラシーはもちろん、社会や歴史や各文化圏への理解と、ぐっと自分に引き戻して暮らしを思うことの大切さを感じます。
多様な人や生き物、考え方を知り理解出来れば一番良いのだと思いますが、一生の自分の時間には限りがあります。全部理解するのは無理だとしても、想像力を無限に広げたいという心の土壌を作りたいと思わせてくれる本でした。
想像出来るかどうか、想像可能な扉を叩けるかどうか。
そこを、フリーにしておきたいなぁ。
レビュー
『にほんごの話』
谷川俊太郎+和合亮一 2010青土社
| 固定リンク
コメント
和合さんと会いましたか!僕は和合さんの奥さんと
福島のラジオで番組をやってたんですよ・・・
勿論、旦那さんとも面識は・・・というより
彼の詩に曲を付けようとしましたが、
僕の力不足で・・・素晴らしい詩人です!
僕の机の本棚に「地球頭脳篇」という和合さんの本が
居ます。。。
投稿: よしお | 2010年5月25日 (火) 22時56分
ごめん!本を読んだんだね・・・
投稿: よしお | 2010年5月25日 (火) 22時58分
谷川俊太郎さんの絵本は
娘も好きでよく読んでます。
なるほど。確かに、話しをしていて浮かぶ表現はありきたりのものが多く(^_^;)
そうそう 子供の表現には はっ!とさせられる事が多いです。これからマメにメモっておこう!
大人の私は絵本を読んであげる寝る直前は夜なので、ぐったりしながら(^_^;)読んで(^^; とりあえず読んでることも多いのですが、これから表現を感じながら読みたいと思います!
投稿: しずママ | 2010年5月26日 (水) 05時51分
よしおさん
いや~~~~、すごい
なんとなんと世の中せまいのですね~
よしおさんのハートフルボイスで詩の世界堪能したいなぁ。
しずママさま
わ~
こはちゃんは幸せだなぁ
夜お疲れのところ、素晴らしいですね。
投稿: あや | 2010年6月 3日 (木) 05時27分